よく医療ドラマでも「どうしてここまでほっといたんだ!」なんてシーンはありますが、これは現実でも多々経験する。もちろん怒鳴ることはしないが。
よくあるケースは自営業で健診や人間ドックを受けずに何十年もいた人が、たまたま風邪など他のきっかけで医療機関を受診してとんでもない数値が判明してしまうパターン。特に糖尿病で多い印象。
「でも全然症状ないよ」とおっしゃる方もいるが、それが病の怖いところ。
糖尿病以外にも癌含めた多くの疾患で症状がなくとも進行してしまっていることも多い。
たまにいらっしゃるのが、「糖尿病はもう治ったから」と医療機関の通院をやめてしまう人。糖尿病は完治はしない。一時的にコントロールが良くなったために内服薬が中止になったことを=完治した、と勘違いしてしまっている。
先日、夜間救急で出会った患者にこんな方がいた。
70代 主訴は血圧高値。
血圧が普段は140前後だが、夜に測定すると190まで上がっていて心配になったとのこと。その他の症状はない。
おそらく医療関係者であればこういった症例に出会ったことは多々あるだろう。
こちらの患者さんは「これまで病院にはお世話になったことがないんです!」と鼻高々におっしゃっていたが、それは健診やドックを受診していないだけで、病気が見つかっていないだけ、の可能性が高い。
体は資本とはよくいったもので、疾患の治療自体にお金がかかるのみならず、糖尿病、高血圧、脂質異常で蝕まれた体はさらに大きな病気を発症する母地になる。
脳梗塞で麻痺が残ることもあれば、糖尿病で足を切断したり透析になることもある。
もちろん最悪のケースは命を落としてしまうことである。
ばりばり働いている現役世代の方こそ体を大事にしなければ、人生の後半で思わぬしっぺ返しが待っている。
もちろん人に指導する前に自分自身のことも振り返らねばならない。
原因はよくわからないが医者は短命であることが知られている。
若いころであればそれほど気にならなかったが当直翌日は体調を崩すことが増えた気がする。睡眠不足は体重増加や生活習慣病のリスクになることも知られている。
それ以外にも患者家族、コメディカルとの話し合いが多く、時には精神的なストレスを感じることも要因かもしれない。
特に急性期が落ち着いた後の医者の仕事は社会的な調整がメインといっても過言ではない。もちろんソーシャルワーカーさんの負担を考えると我々の負担は足元にも及ばないと思うけど。
皆さんまずはご自愛しましょう。