検尿とは?
尿タンパクや尿潜血といった健康診断でも行う簡易的な尿の検査のことである。
一般的には試験紙で行うことが多いと思う。
今回はその検尿で異常を指摘されていたにも関わらず、数年間放置したことで末期腎不全に至った例を紹介する。
※私のこれまでの経験をもとに作成しておりますが、特定の個人を指すものではございません。リアリティを出すために物語風にしています。
20歳前半に検尿異常を指摘
大学までは特に健康診断で引っかかることもなく、ごくごく普通の学生生活を送った。
就職時の健診で初めて尿タンパク、潜血がともに1+だった。血圧もやや高めと言われ、再検査のためクリニック受診を勧めらたが、仕事も始まったばかりでそれどころではなかった。
20代半ば、検尿異常が持続、血圧が高いと言われる
その後の健診では尿タンパク、潜血ともに1〜2+が続いていた。血圧が150/90と高く、計ってくれた人に「若い割に高いね。緊張してる?もう一回計りましょう。」と言われ、再検。
130/80ぐらいにまで下がったので、特に症状もないしまぁいいか。
相変わらず医療機関は受診できない日が続いた。
20代後半に初めて医療機関を受診
最近頭が重く、疲れやすい気がする。
久々に帰省した際に実家に血圧計があった。
そういえば血圧高いと言われたなぁと思い出し、試しに測定してみた。
190/110?
なんかの間違いかと思ったが何度測っても高い。
両親に相談して近所のクリニックを受診するように奨められた。
クリニックでは上の血圧は200台まで上昇していた。
検尿でも尿タンパク2+、潜血3+の結果。
医師に「すぐにでも入院したほうがいい」と言われ、血圧を下げる薬を処方してもらい、大きな病院宛の紹介状も作ってくれた。
翌日に病院を受診。
これまでに検尿でも引っかかっていたことや、血圧が高いと言われていたことも話した。
採血、検尿、超音波検査を行い、いざ結果説明…
「腎機能はかなり落ちていて、このまま放置しておくと透析が必要になります。まずは血圧のコントロールを強化しつつ、原因を調べるために腎生検をしましょう。恐らく何らかの"腎炎"があると思われます。治療することでどこまで良くなるかは、腎生検の結果をみて改めてお話します。」
幸い職場には伝えて数日間休みをもらえていたので即日入院することになった。
血圧はクリニックで出してもらっていたものに加えてもう一種類追加され、血圧は140/90前後までは低下していた。
そして腎生検へ
入院翌日に腎生検を行なった。
うつ伏せになり、背中から超音波を当てながら3回ほど針を刺された。
検査自体は30分程で、痛みも最初の局所麻酔ぐらいであった。
その後、先生が背中に体重をかけて10分圧迫した後に仰向けになった。
仰向けになった後は出血が悪化しないように一日中ベッドで安静にしなければならなかった。
昼食も寝たまま食べなければならなかったので大変だった。夕方には少し頭も上げてもOKになったが、同じ体勢でいたので節々が痛い。
さらに翌朝の採血で貧血が進行していないことを確認してようやく解放された。
生検結果が出揃うのは少し時間がかかるとのことで、生検から2日後に一旦退院となった。
再出血することもあるらしく、腰に負担がかかるような体勢は避けるように言われた。
生検結果を聞きに病院へ
2週間後、外来で生検結果を聞いた。
"IgA腎症"といわれる腎炎のひとつらしい。
発症から時間が経過している病変も多く、標準的な治療を行っても正常の腎機能までは改善しないだろうと...
すぐに透析は不要だが、治療反応性が悪ければ数年後には透析になるリスクがあるとのこと。
ショックだった。この年で腎不全となり、透析の可能性があるなんて...
ステロイドの内服薬が開始された。会社が休みなるタイミングでステロイドパルスといわれる点滴治療も行う予定だ。
検尿や腎機能が改善してくるか、経過を見ていく方針となった。
おわり。
さて、どうだったでしょうか。
検尿異常には何らかの腎炎が潜んでいる可能性がある。
放置することで治療のタイミングを逃してしまい、腎臓の予後を著しく悪くしてしまうかもしれない。
早期発見、早期治療のための健診です。異常があればできるだけ早く医療機関を受診しましょう。